内容説明

 
   

 

<サプリメント「ガラナ」の効能と副作用>

1.ガラナの主成分はカフェイン

 ガラナとは、南米に自生する植物の名前で、アマゾンの熱帯雨林では10メートルほどの高さまで育ちます。ガラナの木の種子を砕いて煎って、デンプンなどを混ぜたものがガラナエキスです。ガラナエキスは、現地でさまざまな食品や飲料などに多用されています。

 ガラナを摂ってから数分で、脳の大脳新皮質を強く興奮させます。眠気や疲労感を忘れさせ、頭の回転を速くし、気分を爽快にさせます。自然に口数が多くなり、社交的にもなります。集中力が高まる作用をあります。

 ガラナの主成分はカフェインで、その他テオフィリンやテオブロミンと、少量のカテキンが含まれています。ガラナカフェインの含有量は、コーヒーと比べても突出しており、ガラナの種子には8パーセントのカフェインが含まれています。それに対してコーヒーやマテ茶は、2パーセントです。ガラナを摂ることによる作用は、カフェインによる作用で、含有量が非常に高いので強く作用するのです。

 効果が強く無害であるならば、ガラナを使用したほうが効果的と考える見方もあります。しかし、ガラナのカフェインの含有量が非常に高いので、強い副作用を伴う恐れがあります。

 

2.カフェインの作用

 カフェインは、脳を刺激して覚醒させ、集中力を高めます。脳の伝達物質の一つにアデノシンがあります。脳細胞はこのアデノシンを受け取ると興奮を抑制します。カフェインはアデノシンとよく似ており、アデノシンを受け取る受容体がカフェインを受け入れてしまうと、アデノシンの抑制効果が発揮できなくなり、脳を興奮させ続けることになります。そうなると、交感神経が興奮し、アドレナリンが放出されます。アドレナリンが放出されると、心臓の働きを強め、心拍数や血圧を高め、全身の筋肉に大量の血液を送り込むことになります。筋肉への血液量を増やすために、血液を収縮させ、皮膚や内臓への血液量を減らします。肝臓ではグリコーゲンを分解してブドウ糖を作り、血液に送り込みます。

 カフェインは、脳内のドーパミンレベルを高め、陶酔感や満足感を発生させます。カフェインは、脳から完全にすばやく取り除かれるため、他の脳を興奮させる薬や、脳を抑制するアルコールとは異なり、カフェインの効果は短時間なのです。しかも、カフェインは集中力、思考力、判断力といった高度な脳機能に悪影響を与えない物質といわれています。

 

3.カフェインが運動能力を高める作用

 カフェインは、運動能力を高めることがわかっています。そのため、国際オリンピック委員会では、選手の1mlの尿中に12マイクログラム以上のカフェインが含まれていると失格となります。カフェインが運動能力を高める考え方に3つの説があります。それは次の内容です。

@カフェインが脳を興奮させ、注意力を高める一方、疲労感を低下させ、大脳に規定された心理的限界値を下げることによって、筋肉運動をしやすくするというもの

Aカフェインが筋収縮に欠かせないカルシウムやナトリウム−カリウムポンプのスピードを高めるというもの

Bカフェインが糖類よりも脂肪の利用を高めるという「代謝仮説」と呼ばれるもの

です。

また、カフェインは、自転車競技者の持久力を高めることが報告されています。それは、カフェインを330mg、競技の始める1時間前に摂取した選手は、最大酸素摂取量の80パーセントの速度でペダルを90分間こぎ続けることができた。しかし、カフェインを摂取しなかった選手は75分でばてたということです。つまり、カフェイン効果として持久力が19パーセントもアップしたという報告です。

 

3.カフェインの大量摂取による副作用

 一般的に、カフェインの大量摂取は、不眠不安を引き起こし、悪化すれば嘔吐けいれん高血圧を伴うといわれています。最も恐ろしいのが、心室がリズミカルな収縮を行わず、各部の筋肉がランダムに収縮する心室細動の発生です。このランダム収縮が数分続くと死に至ることです。

 カフェインの致死量経口摂取で1319グラム静脈注射で3.2グラムです。いずれも尋常な量ではないが、決して侮れない劇薬なのです。ガラナについてもカフェインと同様の副作用があることを知っておくべきといえます。また、妊婦が毎日300mg(コーヒー3杯分)以上のカフェインを摂ると流産胎児の成長が遅れる危険性があるという報告です。そのため、妊婦の方はガラナの摂取は控えるべきです。

 
     

 

戻る

 


inserted by FC2 system