内容説明

 
   

 

<サプリメント「アルギニン」の効能と副作用>

1.アルギニンの特徴

 「アルギニン」のサプリメント業者宣伝広告をみると、「体力に満ちあふれたあのころに若返りたい」「ついでに下半身の機能も強化できたら」「血液がサラサラにするには」等々の宣伝文句が目につき、それらの希望がすべて実現するような錯覚におちいります。

 アルギニンは、肝臓で、他のアミノ酸が変化することによってつくられます。そのため、わざわざ食事からとらなくても大丈夫なため必須アミノ酸(必須アミノ酸は一種類でも欠けると重大な栄養障害を起こす可能性があるほど大切なもので、毎日の食事で絶対にとらなければならない)には分類されていません。

 しかし身体の成長期ストレス、ウィルス感染時などの状態や状況時には十分なアルギニン摂取する必要があります。つまり、アルギニンは必須アミノ酸となるのです。このような身体状況時には、体内でつくられる量では間に合わないのです。生体が危険な状況にあるときこそ、アルギニンが大切な働きをします。その役割を説明します。

 

@アルギニンは体内のアンモニアを毒性の少ない尿酸に変換させる

 食物でとったタンパク質は、からだのなかで代謝されます。代謝の過程を経て最終的にアンモニアができるのです。このアンモニアはからだの細胞にとってかなりの毒物なのです。また、アデニンやグアニンといった遺伝子の部品が代謝されても、腸内細菌によってアミノ酸からアミノ基を取り除いても、アンモニアがでてくるのです。さらに、恐ろしいのは、アンモニアは血液−脳関門を通過できるため、脳神経細胞に致命的な損害を与えます。生体にとって毒物であるアンモニアを毒性のない尿酸に変換するのがアルギニンなのです。

Aアルギニンは伝達物質のうちの唯一のガスである一酸化窒素をつくる

 一酸化窒素は、血管をゆるめ、動脈を軟らかくし、高血圧、狭心症、心筋梗塞の治療に使われます。アルギニンはこの一酸化窒素を作る働きがあります。1997年にポーランド学術研究所のセレマジンスキー博士が、アルギニンの効果を「アメリカ心臓病雑誌」に報告しています。その結果、狭心症や心筋梗塞を患った経験のある患者の持久力が偽薬グループよりも勝っており、アルギニン摂取により脳の血管が拡張し、脳の血流量が高まるので、脳の活性化期待されているのです。

 また、勃起不全の改善効果をイスラエルのテルアビブ大学医学部のマッキン教授が報告しています。

B成長ホルモンを放出する効果がある

 1975年、ワシントン大学医学部のパグリアラ教授が、アルギニンとドーパの併用により成長ホルモンを放出させることを雑誌「小児科学」で報告しています。成長ホルモンが放出されれば、ケガや傷の修復が進みます。アルギニン摂取が成長ホルモンの放出を促進し、傷の修復が早まると期待されています。

Cアルギニンは免疫力を高める

 アルギニンは、心臓のやや上にある胸腺という器官を刺激して、白血球を増産させるため、感染症、傷、やけどからの回復スピードが上がります。このことを「アルギニン効果」といっています。

 

2.アルギニンの副作用

 アルギニンの副作用として、毎日5グラム以上のアルギニンを摂取すると下痢の症状が見られ、肝臓の悪い人腎機能の低下した人が、1日に4050グラムのアルギニンを摂取すると、腎臓がやられてしまい、生命に危険が及ぶことが報告されています。また、統合失調症患者もアルギニンを摂取してはならないし、ヘルペスウィルス他のウィルス感染している人避けたほうがよいといわれています。

 
     

 

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